Second life stage of retired

自衛隊定年退職者の雄叫び

超ブラック企業に就職(第1話)

 自衛隊を定年退職し、自らハローワークに足を運び、何度も履歴書を送付して応募したが、書類審査で終わってしまうケースが続いていた。

 そんな時、ハローワークである企業を紹介してもらう際、通常であれば、まず、紹介状と履歴書を送付して、審査の結果、面接となるパターンが多いなか、ハローワークで紹介の問い合わせをしてもらうと、すぐに面接に来てもよいという企業があった。

 しかし、履歴書の準備が出来ていなかったので、翌日に面接をしてもらうことにした。

 その会社は、株式会社ではあるものの、中小企業であった。そもそも、株式会社は、会社法で1円の資本金から設立できる。昔は、会社法という法律はなく、商法のなかに株式会社に関する規定があり、資本金は1000万円以上であった。しかし、有限会社法も廃止となり、商法から株式会社に関する規定が独立し、新たに会社法という法律が制定され、資本金が1円でも設立できるようになった。

 さて、書類審査もなく、即面接ということになったが、その会社の面接では、自衛隊での職歴しかなく、民間企業での経験がないことで、難色を示すものの、その日の面接で即採用が決まった。

 その会社での面接官は、会社の会長という身分、会長といえば聞こえがいいが、中小企業の会社であり、他に事務職の社員はなく、会長本人も高齢であったことから、手伝ってもらえるような補佐的な事務員がほしいとのことで、採用となった。

 民間企業での事務職など経験がない私は、最初は緊張の連続であった。パソコンでワードやエクセルができたことが、少しは仕事をはかどらせることとなった。

 事務室で一緒に仕事をする会長は、一応パソコンは取り扱うことができるものの、ワードやエクセルは初心者にも満たないようなレベル、キーボードでの入力はローマ字ではなく、カナ入力であった。そんな程度であるから、よ会長の依頼によりエクセルでテンプレートとなるファイルを作成したことも何度かあった。しかし、会長は、パソコンのレベルこそは低いものの、営業は自ら行っており、そこは、私には出来ないことであった。

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