私が中央大学法学部を通信教育で卒業したのが、44歳の時であったから、今から15年も前に卒業したことになる。そして、卒業するまで10年かかったので、入学したのは、34歳のとき、今から25年前となる。
今では多摩モノレールが開通しており、「中央大学・明星大学」駅で下車し、中央大学方面の出口をでれば、すぐにキャンパスが広がっている。しかし、「中央大学・明星大学」駅までの間が開通したのは、平成12年(2000年)であるので、入学当時は開通しておらず、夏期スクーリングで講義を受けるときは、京王線の多摩動物公園駅から徒歩で大学まで、あの山道を登って通学した。
さて、その夏期スクーリングでフランス語の科目を選択し受講した。英語は卒業の必修科目であったが、ドイツ語、フランス語は選択科目であったため、とくに勉強しなくてもよかったのであるが、なんとなく興味があり、せっかくのチャンスなので選択して勉強した。
通信教育用のテキストが中央大学から出版されていたので、それに沿った授業であったが、授業を担当する教授は、テキストを書いた教授であった。
当時、1科目の科目につき、スクーリングでの講義は、午前か午後に行われ、それを2時限、すなわち、1時限が当時90分であったので、それを午前か午後に休憩をはさみ180分、5日間連続で受講し、最終日の6日目に試験を受けるというスケジュールであった。
フランス語の講義では、やはり発音についての学習として、映画が教材として取り入れられた。その映画の一つが「シェルブールの雨傘」であった。題名は知っており、その映画で使われる音楽も昔、ラジカセで録音し聞いていたので、知っていた曲であった。しかし、映画そのものは見ておらず、ストーリーも知らなかった。
だが、授業で、その映画を見てフランス語の発音よりも、そのストーリーの展開に感動してしまった。そしてなによりも映画の主演女優がカトリーヌ・ドヌーヴであるから、その美しさに見とれてしまうのである。フランス語の語学という視点ではなく、もはや、映画の魅力に巻き込まれていったという、様子のであった。
大学を卒業後、数年してから、レンタルビデオ店で、面白いものはないかと探していた時、ふと、「シェルブールの雨傘」を思い出した。レンタルして、再度見ることにした。当時、講義で受けたフランス語は忘れていたが、ストーリーから得た感動を再び得たのは確かであった。
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