Second life stage of retired

自衛隊定年退職者の雄叫び

自衛隊員の欠格

自衛隊員に限らず、ほかの国家公務員も同様のことが言えるのだが、自衛隊員という身分になることができない場合がある。自衛隊法第38条で欠格条項として、4つの場合が規定されている。

(欠格条項)
第三十八条  次の各号のいずれかに該当する者は、隊員となることができない
一  成年被後見人又は被保佐人
二  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
三  法令の規定による懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
四  日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
2  隊員は、前項各号の一に該当するに至つたときは、防衛省令で定める場合を除き、当然失職する。

このように自衛隊法では、第38条1項で1号から4号まで規定されており、いずれかに該当すれば自衛隊員になることはできない。また、自衛隊員になったあとでも、第38条2項で、該当するようなことが起きれば、自衛隊員の身分が失われる、とされている。

たとえば、他人の物を盗み窃盗罪になったとする。この場合、刑法第235条で10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となる。そして、刑事裁判で懲役6ヶ月執行猶予3年の判決があり確定したとする。刑法では、重いものから順番に、死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料、となっており、自衛隊法第38条1項2号では禁錮以上の刑とされているので、死刑、懲役、禁錮のいずれかの刑が確定すれば、欠格条項に該当することになる。

したがって、懲役6ヶ月執行猶予3年の刑が確定すれば、懲戒免職処分を受けなくても隊員としての身分が失われることになる。もちろん、この場合、前科1犯となるため、懲戒免職よりも厳しい社会的制裁を受けることになるのだが。

そして、執行猶予が3年となれば、3年間は欠格条項に該当するし、3年が経過し、執行を受けることがなくなっても、採用試験の受験資格には、年齢制限があるので、再度隊員となることは、ほとんどの場合難しいものとなる。

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