「防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和27年法律第266号)」第20条の「政令で定める職員には、政令で定めるところにより、食事を支給する。」という規定により、政令である「給食の実施に関する訓令(防衛庁訓令第54号、昭和35年12月5日)」(以下、「訓令」という。)に基づき、自衛隊では食事が支給される。
食事の区分は、基本食、増加食、加給食があるが、加給食は、パイロット等に支給される特別な食事であるため、一般の隊員には支給されない。したがって、一般の隊員は基本食と増加食の支給のみとなる。
訓令によれば、「増加食は、隊員が特別の勤務又は訓練に従事した場合に防衛大臣の定めるところにより、基本食を補足し又は栄養を補充するため支給する食事であって、夜食、演習増加食、空挺食及び潜水艦食に区分する。」(第13条)と規定されている。このことから、一般の隊員は、「夜食、演習増加食」として支給される場合が多いであろう。
今日では、「夜食、演習増加食」として支給される増加食は、カップ麺が支給される場合が多い。私が今から40年前、新隊員教育隊に入校したとき、増加食が支給されたが、その当時は、カップ麺があまり支給されていなかった記憶がある。もう40年も前のことだから記憶に薄いが、支給された増加食は、パック牛乳、ビスケット、ようかん、ういろ、チョコレート、カステラといったものであったような気がする。だが、たまにカップ麺も支給されたことがあった。しかし、それは、今まで聞いたことがないメーカーのもので、さらに市販されているところも見たことがなく、また、味も美味しくもなかった。たぶん、その当時は、カップ麺の単価が高く、なかなか入札出来なかったのであろう。しかし、今日では、有名メーカーのカップ麺が増加食として支給されている。