日本国憲法第９条を知らない自衛官は、多分いないであろう。自衛隊が違憲であるとする見解もある。しかし、私は自衛隊が合憲であり、国家主権を認める手段として、また、日本国憲法による国民の幸福追求権を実現するための手段として、自衛隊の存在が違憲ではないと考えている。これは、私が元自衛官であるからではない。私が法律学を勉強し、その結果得た私見である。
現在の日本国憲法は、戦後アメリカのマッカーサーが率いるＧＨＱによって指導された押し付け憲法であるという批判がある。しかし、そのマッカーサーが日本の自衛のための警察予備隊を発足させたのであるから、たとえ、押し付け憲法であるとは言え、第９条の解釈としては、自衛権は当然にあり、そのための戦力は、憲法に違反しないと解釈するのが妥当ではないのか。現に現在の自衛隊の装備では、自衛のための射程範囲でしかなく、また、武器の使用に関しても自衛隊法によって制限されており、この自衛隊法は、民主主義による選挙で選ばれた国会議員による国会で制定された法律であり、さらに外国を威嚇するための手段となっていないことから、憲法９条に違反するとは考えられない。
諸外国が不法に我が国を侵略した場合は、日本国憲法による保障されるはずの国民の幸福追求権などの人権が侵害される恐れがある。
そもそも、日本国憲法は、国民が国に対して命令している法なのである。したがって、国は、国民に命令された事項を実行しなければ憲法違反となるのである。よって、諸外国が日本を侵略しようとする恐れがあり、国民の生命財産に危害が及ぶ恐れがある場合は、それを放置したままでいると、国民の生命や財産が失われ、幸福追求権が実現しなくなるため、それを未然に防止あるいは、そうさせないための抑止を国が、国民の命令による憲法により、実現させなければならないのである。
したがって、人権を侵害する恐れがある諸外国による不法な侵略から国民を守る自衛隊は、国民が命じている憲法には違反しないと言うべきである。