Second life stage of retired

自衛隊定年退職者の雄叫び

自衛官必見! 若年定年退職者給付金を財産分与するな!(その18)

今まで、若年定年退職者給付金(以下、「給付金」という。)が離婚の際に財産分与の対象とはならない旨を説明してきたが、退職金についても場合によっては、その一部が財産分与の対象とならないので、注意が必要である。

退職金は、基本的には財産分与の対象となる。しかし、財産分与は、婚姻期間中に得た財産を夫婦の協力によって得た財産として分与するものであるから、退職金算定の基準となる在職期間と婚姻期間が、まったく同じでない限り退職金の全額が財産分与の対象とはならないのである。

私の場合は非任期制隊員となってから、まもなく婚姻したので、在職期間と婚姻期間の差が、ほとんどなかったため、離婚請求訴訟を起こしたときには、最初から退職金の半分は分与するとしていた。ただし、給付金については、分与する気がなかったので、給付金については、一切触れてなかったのであるが、被告である相手側(親戚に陸自と空自の定年退職者がいる)から給付金も支給されるので、給付金も財産分与せよ、との付随的請求があったのである。しかし、これは当然に予想されることであったため、あらかじめ反論の準備はしており、したがって、裁判において給付金は財産分与の対象にはならないので分与はしない、と私は反論し続けたのである。

さて、退職金であるが、たとえば、在職期間が30年であったとし、婚姻したのが在職してから10年後であったならば、在職期間の最初の10年分は、婚姻前に得た財産となるため、3分の1は退職金も財産分与の対象とはならないのである。すなわち、在職期間と婚姻期間が重複する残り20年分のみが財産分与の対象となるため、この場合は、退職金の3分の2が財産分与の対象となり、その半分を分与するとするならば、退職金全体の3分の1を分与すればよいことになるのである。

このように在職期間と婚姻期間の差が大きい場合は、退職金の一部が財産分与の対象とはならない。しかし、和解などによって早急に離婚を進めたい時などは、妥協案として給付金は分与しないが、退職金の半分は分与するとして解決させることも必要かもしれない。

 

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