自衛官の若年定年退職者給付金（以下、「給付金」という。）は、２回に分けて支給される。
一括での受領も可能であるが、その場合は、２回目に相当する時期に支給となる。
給付金が２回に分けて支給される場合、１回目は退職時に支給される。では、なぜ、２回に分けて支給されるのか。
給付金は、再就職後における所得を補填するものであるから、本来は、実際の所得がどれくらいなのかを確認した上で、給付金の支給額や不支給が決まるものである。しかし、年間所得を確認するには、１年以上も後にならないと分からないため、とりあえず、退職時に１回目を支給し、最終的に年間所得が確認できた時に調整を行い、支給となれば、２回目が支給されるとしたのである。
当然のことながら、年間所得の確認後、不支給となれば、１回目の給付金も返納しなければならないことになる。
給付金が不支給となることは、滅多にないと思われるが、減額される可能性は、収入額によって十分に考えられる。したがって、給付金を財産分与とすることは、不支給や減額された場合、経済的不利益を被ることは、間違いない。
給付金が退職金とは法的性質が異なることを理解し、財産分与とすることは、絶対に避けるべきである。