Second life stage of retired

自衛隊定年退職者の雄叫び

自衛隊定年退職者の再就職に必要なもの

 自衛隊を定年退職し、民間企業に再就職して実感したことは、資格があればよい、というものではなかった。資格を持っていれば、それなりの知識や技能があることを証明することはできるが、企業が求めているのは、いかに即戦力になれるかであった。

 職種によっては、資格を保有していなければならないものもある。しかし、いくら資格を持っていても、実務経験が乏しい場合は、企業は採用してくれない。逆に資格を保有していなくても実務経験が豊富であれば、企業が採用してくれる場合がある。たとえば、勉強して知識を得て情報処理技術者の資格を取っても、エンジニアやプログラマーとしての経験がないと、企業は採用してくれない。任期制隊員のように若くして退職し再就職するのであれば、採用される可能性はあるかもしれない。知識をもとに経験を積み重ねて、将来は、その企業の要となることが期待できるからだ。

 しかし、自衛隊を定年退職した50代半ばの者が、専門分野でこれから経験を積み重ねていくには、企業の定年まで年月が短いため採用がされない場合が多いであろう。資格が義務付けられている職種でなければ、資格がなくても実務経験により、採用される可能性はある。だが、自衛隊での実務経験をそのまま民間企業にあてはめて活かせるケースは少ないと思われる。

 自衛隊を定年退職した者は、ほとんどが経験したことのない仕事を一から始めているのが実情ではないだろうか。

 したがって、自衛隊を定年退職した者が再就職に必要なものとは、自衛隊で得た実務経験よりも、自衛隊で養った体力、忍耐力、協調性、適用性であり、特に健康管理をともなった体力面は、最も重要で元自衛隊員としての期待がかけられているところとなっている。

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