6日午後、中国海軍の空母「遼寧」を発艦した中国の戦闘機J15から対領空侵犯措置を行っている航空自衛隊の戦闘機F15が2回にわたってレーダー照射を受けた。
領空は、領土及び領海(海岸線から12海里(約22km)の範囲)の上空のことをいい、この領空の周辺空域には、防空識別圏(ADIZ : air defense identification zone)というものが設定されている。この防空識別圏は、航空自衛隊のレーダーサイトにより常時防空監視が行われており、航空管制機関に飛行計画書(フライトプラン)が提出されていない識別不明機の存在があれば、航空自衛隊の戦闘機による緊急発進(スクランブル)がおこなわれ、領空侵犯をさせない措置をとることになる。そして、航空自衛隊機による警告を無視して領空侵犯された場合は、これを着陸させ、又はわが国の領域の上空から退去させるため必要な措置を講じることになる(自衛隊法84条)。
中国海軍の空母「遼寧」は、沖縄本島南東の公海上に位置していたが、その上空はわが国の防空識別圏内であり、その空母から発艦した中国軍機は、わが国の領空を侵犯するおそれがあったため、沖縄県の那覇空港に隣接されている航空自衛隊那覇基地の部隊が対領空侵犯措置を行ったものである。そして、その際に自衛隊機が中国軍機からレーダー照射を受けたのである。
ちなみに中国軍機は、2024年(令和6年)8月26日、長崎県男女群島沖においてY-9情報収集機1機が領空侵犯を行っている。
01 領空と防衛識別圏(https://www.youtube.com/watch?v=fA8siPUWYt8)航空自衛隊チャンネル (JASDF Official Channel)
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