退職金と給付金は、再就職によって収入が減少した分を補うために使う、という使い道をすると、私のように、すぐになくなってしまう。
そもそも使えばなくなってしまうものだけに、永久的に収入減を補うことはできない。そこで、再就職に有利となり、収入源に繋がる資格・免許の取得に当てるか、資産運用として投資をするか、いっさい手を付けず、減少した収入だけでなんとか生計を立てる、というような選択肢になるかと思う。それぞれ個人の考え方や価値観は異なるので、どうするべきか各自が考えて自由に使うべきであろう。
さて、資格・免許についての話になるが、私は大型自動車第2種免許を30代の時に自費で取得した。超ブラック企業を退職後、自分の希望する職業に応募はするが、書類審査の段階で不採用が決定し、なかなか就職先が決まらなかった。このままでは、無収入が続き、いずれは退職金や給付金はなくなるばかりなので、とりあえず、タクシーの乗務員として、求人に応募することにした。
タクシー会社では、自社養成として、第2種免許取得にかかる費用を出してくれるところもある。私が、就職したタクシー会社も同様であった。しかし、タクシー会社が費用を負担する分、そのタクシー会社には、3年間勤務しなければならず、3年未満に退職する場合は、免許取得にかかった費用を支払わなければならなかった。その会社では、自社養成のために3年間、辛抱して勤務し、退職した乗務員もいた。
私は、既に第2種免許を取得していたために、自社養成による自動車教習所での教習はなく、また、3年間勤務を拘束される必要にまどわされずに、面接の翌日から採用となり、即見習い研修が行われた。研修は10日間で、指導員乗車での実務のほか、DVDによる学科講習である。
私は、あらかじめ免許を取得していたため、3年間勤務が拘束されないといった精神的な安心感をもつことで、仕事に対するストレス軽減につながった。私は、免許を自ら取得して良かったと実感した。