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映画「ハッピーフライト」

 久しぶりにDVDをレンタルして映画を見た。2008年に公開された矢口史靖監督の「ハッピーフライト」である。この映画では、航空機のフライトに関し、多くの関係者がそれぞれの地位・役割に応じて仕事をこなしている様子がうかがえる。パイロット、キャビンアテンダント、グランドスタッフ、整備士、航空管制官など、複数の関係者が、それぞれの役割にしたがって仕事をし、その結果、航空機のフライトが可能となることを物語っている。特にこの映画でおもしろいことは、航空ファンやマニアまで登場し、トラブルの発端となった原因を追究し、航空機の安全の確保につなげている点である。

 この映画では、航空機に搭乗しただけでは分からない多くの関係者がいることを知り、そして、それぞれの仕事の重要性をも知ることが出来る。仕事とは、役割分担に応じて責任をもって行うことが大切で、一見、単純・簡単そうな仕事でも重要な役割がある。映画のなかで、鳥獣駆除を担当する空港職員が登場するが、空港周辺の鳥を排除することで、鳥被害を回避し航空機の運航の安全を図っており、羽田のように離発着の多い空港では、鳥獣駆除も重要な仕事のひとつなのだ。

 さて、この映画では、仕事に関し考えさせられることがたくさんある。まずは、安全確保の問題である。人の生命が第一優先となる。航空機にトラブルが発生した場合、いかに事故を回避すべきか、それは同時に、乗員乗客の生命をいかに守るかということになる。どのような仕事であっても、安全確保が第一優先なのである。

 つぎに、仕事のスキルアップである。航空機の計器も旅客機となれば、コンピューターによるデジタル機器で、アナログの計器はほとんどない。これは、コンピューターがすべて計算してくれるメリットがある反面、その操作やデータの入力方法などを学ばなければならないというデメリットがあり、新しい機器が搭載される都度、勉強しなければならないことになる。したがって、仕事というものは、常に勉強することが求められていると考えた方がよい。これは、科学技術の進歩により文化が徐々に発展しているからだ。今では、義務教育の小学校でパソコンの授業がある。自分にとっては羨ましいことだが、50年も前の自分の小学校時代は、コンピューターは存在していたものの、コンピューターの「コ」の字も普及していない時代で、コンピューターはまさに未知の世界だった。しかし、今では、日常生活においても気が付かないところで、コンピューターは存在する。たとえば、全自動洗濯機である。昔は、二層式の洗濯機で、水も人の手で蛇口を開け閉めしなければならなかった。今では、その必要がない。すべてコンピューターが自動でやってくれている。しかし、それも操作は簡単ではあるが、取扱説明書で学ぶ必要があり、操作を誤れば、予期しない結果で終わることになる。そういう意味でコンピューターは、指示通りに動いてくれるものなのである。

 科学技術の進歩に伴った文化の発展は、仕事をはじめ日常生活のなかにも存在している。時代の変化は文化の発展であり、常に学ぶ意識が今日では必要なのかもしれない。

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