安全保障

自衛隊の階級と採用

自衛隊の階級

自衛隊の階級は、自衛隊法第32条第1項で陸上自衛隊、第2項で海上自衛隊、第3項で航空自衛隊のそれぞれの自衛官について定められている。陸上自衛官の階級は次のとおりである。

陸将、陸将補、1等陸佐、2等陸佐、3等陸佐、1等陸尉、2等陸尉、3等陸尉、准陸尉、陸曹長、1等陸曹、2等陸曹、3等陸曹、陸士長、1等陸士、2等陸士

なお、海上自衛官と航空自衛官の階級は、「陸」を「海または空」に読み替える。たとえば、陸士長は、海士長、空士長となる。また、部内では、通常、等と陸(海、空)が省略される。たとえば、陸士長は「士長」、3等陸曹は、「3曹」と階級が略される。

将から3尉までを幹部、曹長から3曹までを曹、士長から2士までを士に区分され、幹部と曹は定年制、士は任期制となっている。

士の任期制は陸上が1年9ヶ月、海上と航空が2年9ヶ月であるが、希望すれば、あと2年任期の継続が可能である。任期満了後には、退職金が支給される。1任期が1年9ヶ月の場合約64万円、2年9ヶ月の場合約104万円である。さらに継続して2任期目では、約157~162万円支給される。したがって、陸上自衛官が2任期を満了し、3年9ヶ月勤務した場合は、合計221万円~226万円の退職金が支給されることになる(2024年4月現在、 自衛官募集ホームページ参照)。

ちなみに、定年制の退職金は、「国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)」によって支給されるが、任期制の退職金は、特例として「防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和27年法律第266号)」(以下、「給与法」という。)によって支給される。

任期制を導入している理由は、常に若い人材を配置することで、自衛隊の部隊の精強性を確保するためである。したがって、その点では、定年制である幹部と曹も一般の公務員よりも早く若年で定年することになっている。そこで、若年で定年する者については、若年定年退職者給付金制度が設けられており、給与法により給付金が支給される。

自衛官の新規採用については、各種の採用があるが、任期制の士の採用として「自衛官候補生」、曹の採用として「一般曹候補生」、幹部の採用として「自衛隊幹部候補生」が一般的である。

もちろん、士に採用されてから、陸曹候補生選抜試験などの部内における試験に合格することによって、士から曹、曹から幹部になることも可能である。私もその一人で士に採用されてから、部内選抜試験で曹へ昇任し、その後また選抜試験により曹から幹部に任官した。昔は自衛官候補生という採用がなく、2等陸士の採用であった。したがって、私は採用直後に2等陸士で入隊し、2等陸尉で定年を迎えた。

自衛官候補生

「自衛官候補生」は、その名のとおり自衛官の候補生であり、採用された時点では、自衛官ではないので、階級が与えられない。候補生課程の教育を修了した者のみが自衛官となり2等陸士の階級が与えられる。

一般曹候補生

「一般曹候補生」は、自衛官として採用され、2等陸士となり教育が開始される。そして、教育修了後、選考により3等陸曹へ昇任となる。

自衛隊幹部候補生

「自衛隊幹部候補生」は、一般は大卒程度とされているが、歯科と薬剤科は専科の大卒(見込含)でなければ受験できない。採用後は、陸曹長で幹部候補生学校へ入校し、卒業後は部隊へ配置され3等陸尉となる。

ちなみに教育課程では、当然のことながら、幹部候補生課程が一番厳しい。私は新隊員教育隊、陸曹教育隊、幹部候補生学校で、それぞれの教育課程を修了し経験している。

ほかにも各種の採用があるので、くわしくは自衛官募集ホームページを参照するとよい。

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