自衛隊は、航空自衛隊に限らず、陸上自衛隊、海上自衛隊も装備品として航空機を保有している。そのため、陸海空の自衛隊には、飛行場が設置されている。飛行場には、航空機が安全に離着陸できるように、管制塔が設けられ、その管制塔の最上階には飛行場管制室があり、自衛隊の航空管制官が業務を行っている。
航空機は、飛行場において航空交通の安全確保のため国土交通大臣が与える指示に従って行動しなければならない(航空法第96条)。この国土交通大臣が与える指示が、いわゆる管制塔(飛行場管制所)からの管制指示である。
そして、この国土交通大臣の権限は、航空法第137条により地方航空局長又は航空交通管制部長、そして防衛大臣に委任され、かつ、通達等のより航空管制業務を行う資格を有する者に実施させるものとなっている。
したがって、自衛隊の航空管制官が航空機に与える管制指示は、法律上、防衛大臣が与える指示あるいは国土交通大臣が与える指示ということになる。
自衛隊は、階級組織であり、通常上位の階級の者が下位の階級の者に命令を下す。しかし、航空管制業務においては、航空法第96条により国土交通大臣が与える指示(管制指示)に従わなければならないから、航空管制官の階級がパイロットの階級よりも下位であっても、パイロットは、航空管制官の指示に従わなければならないのである。