財産分与

自衛官必見! 若年定年退職者給付金を財産分与するな!(その22)

若年定年退職者給付金(以下、「給付金」という。)については、このブログで解説し説明してきたが、十分に理解できたであろうか。

退職金と給付金では、簡単に言えば意味が異なる。

退職金は、過去の賃金を一括して支給されるのに対し、給付金は、一括での支給も可能であるが、申し出をしない限り2回に分割して支給され、それは、将来すなわち未来の賃金の補填を目的として支給されるのである。

したがって、給付金は再就職による所得が明らかになってから、支給額の調整が行われ、それによって最終的に給付金の支給額が決定されるのである。

しかも、その支給額は、全額の時もあれば、完全に不支給となる場合まである。

離婚の際の財産分与とは、「婚姻期間中に夫婦の協力によって得た財産」を分けることであるから、その財産は過去に発生したものとして確定されていなければならない。その点においては、退職金が過去の賃金として退職時に確定したものとして支給されるので、退職金は、財産分与の対象となる。

だが、給付金は、未来の賃金を補填する機能としての法的性質があるため、過去に形成された財産とはならず、財産分与の対象とはならないのだ。

給付金が2回あるいは一括で支給されたとしても、それは、将来すなわち未来の賃金の補填のために、まとめて支給されたため、高額な金額となっているだけのことである。

ほかの退職自衛官が給付金を全額支給されたといえども、本人の給付金も全額支給されるとは限らない。支給額の計算は、現役時代の給与により個別に異なっており、現役時代の給与を基準として計算されるため、調整により支給される給付金の額は、個人ごとに異なる。

給付金は、まとめて支給されるため、高額な金額となるが、退職金とは、その性質がまったく異なるのである。

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